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【小島健輔】ZOZOを買うべきは「オンワード樫山」だった

2019/9/21

テーマは「ZOZOはどこへ向かうのか?」。
元・ヤフーの村上臣氏と白石陽介氏、立教大学ビジネススクール教授の田中道昭氏、EC、流通専門家の小島健輔氏、箕輪厚介氏などを交え、ヤフーの「ZOZO」買収について議論を交わした。

視聴はこちら(タップで動画ルームに遷移します)。番組の最後に、古坂大魔王が最も優れていた発言として選ぶ「King of Comment」は、小島氏の「システムが幼稚園児並み」と「ヤマトだめ!」に決定。

古坂大魔王@kosaka_daimaou

今日のキングオブコメント
小島さん「システムが幼稚園児並み」あと、「ヤマトだめ!」

ZOZOが抱える物流の課題、ヤマトの値上げによるEC業界への大打撃などを挙げた上で「今回の買収にZOZOのメリットはない」と語る小島氏。

「オンワード樫山が買収すべきだったんです」という発言の真意とは。

ECサイトの「原始的」な物流「システムが幼稚園児並」という発言について、小島氏はこう補足する。

小島 システムというのは物流体制のことで、ZOZOの物流センターの運営がとても原始的なんです。

昔のAmazonで人がピッキングに飛び回っていたような人海戦術の域を出ていない。

これはZOZOに限らず、他の大手ECサイトにも言えます。

Amazonだって巨大ルンバみたいな自動ロボットを導入しましたが、数百グラムの商品を五百キロ以上もあるラックごと持ち上げて運ぶって、人にぶつかったら怪我の危険もあるし、あまり効率的とは言えません。

UNIQLOは有明に、ECに特化した自動倉庫を作りましたが、自動化しても結局はピッカーの前に持ってくるだけで、そこでピッカーがひとつひとつ開けて作業をしていく。

最後のところで人力から抜け出すことができていません。

出口が詰まれば、途中を効率化しても結局は同じなんですよ。

もっとわかりやすく言うと、物流というのは「棚入れ」した時点で負けなんです。

ITの若い人は「物流を知らない」棚入れをすれば倉庫スペースを食いますし、ピッキングという「摘み取り」作業が発生します。

これを人の何十倍もの効率で自動化するのは不可能に近い。

同じ商品を一気に何百人、何千人に振り分ける「種まき」作業なら効率的な自動化が容易です。

同日にECで百人が同じ商品を注文したら、百枚の商品をまとめて自動ソーターにかければ数分で振り分けは完了してしまうんです。

この自動ソーターによるメカトロ物流処理は、80年代にはすでに確立されていたシステムなのに、ITの若い人たちは知らないのでしょうか。

アナログで確立された効率的なシステムを知らないでITを仕掛けても、どんどん非効率で複雑なシステムになっていくだけです。

ちなみに、ZARA本社の物流センターはストックヤードがありません。

自動ソーターが商品を振り分けている部分しかないんです。

棚入れしている物流と比べたら、極めて効率的です。物流がうまくいかないと在庫が滞留し、それゆえコストが嵩みます。

その分、いいものを安く売れなくなってしまいます。

流通の仕組みをしっかりと理解すれば効率的な物流が組めるはずですが、誰もやろうとしない。

ITとかAIとか部分的な先端技術に飛びつくのですが、部分的なところを変えてもプロセス総体を組み替えないと根本的な改善にはつながりません。

ZOZOは「技術の詰め」が甘い番組内では、元代表の前澤氏が実務に関心を持たなかったことについても指摘していた。

小島 前澤さんは、システムには興味があったと思いますが、フロントにも物流にも関心を示しませんでした。

ECというのは、フロント、システム、物流、この三点がセットで初めて成り立つものです。

ZOZOはフロントは独自に作ったのでしょうが、単品カートを編集してフレーミングしているだけですから、格好いいものではありません。

一方で、ZOZOのフロントにも良かった点はあると補足する。

小島 スタッフの着用レビューは成功しましたね。

試着できないECサイトにおいて、購入ハードルが低くなります。

着用している女性の方々も、ファッションモデルのようなずばぬけて容姿がいい人ではなくて、どちらかというとユーザーに近いスタイルの人たち。

様々な体型のスタッフの着用レビューがあることで、ユーザーの共感も呼びやすい。

ちなみに、それを最初にやったのは韓国の「DHOLIC(ディーホリック)」というECサイトです。

韓国は人種が混じっているので、ぽっちゃりとした体型の人と、すらっと背の高い体型の人に大きく分かれます。

この二パターンの体型のモデルにそれぞれ同じ服を着てもらった写真を載せる。

これがDHOLICがウケた最初のインパクトになりました。

ただ、ZOZOの「さ・さ・げ」については出品アパレルの評価は低い。

どれもブツ撮り的な撮影で、ベターっと平面的な写真になっています。

もっとアングルとか照明とかレンズの選択をこだわれば、服のシルエットやシワなども立体的に表現することができます。

そういう細かい部分一つをとっても、ZOZOは基本的なアート感覚が欠けているんじゃないですかね。

「格好いいもの」というのは思いつきの感性なんかじゃなく、基礎的なアート技術の積み上げなんです。

ZOZOは技術の詰めが甘いと思います。

オンワード樫山が買収すべきだった小島氏の指摘する課題は、ヤフーとの提携によって解決するものではないように思える。

小島 ZOZO側のメリットって全くないんですよ。

強いて言うなら、前澤さんが経営から離れることくらい。

前澤さんは、ZOZOの経営よりも他の投資に興味が向いてしまっていた。

心ここに在らずという状態の中で、ゾゾスーツやPBなど大失策をしてしまった。

もっと真剣に取り組んでいたら、こんな結果にはならなかったと思います。

むしろ、ZOZOの課題を解決できるという点では、オンワード樫山が買収すべきだったと小島氏は語る。

小島 オンワード樫山は、採寸から数日で服を作ってしまうIoT仕掛けのC2Mシステムを「カシヤマ・ザ・スマートテーラー」としてすでに実用化しています。

あの仕組みをジーンズに置き換えることも簡単です。

中国の大連で作って一週間で自宅に届くんですから、国内でやれば5日もあれば届くでしょう。

ものづくりにはものづくりのノウハウが、流通には流通のノウハウがあります。

オンワード樫山はもともとメーカーですから、ものづくりをよく知っていますし、ECのプラットフォームもよくできています。

物流面に関してはまだ過渡期ですが、アパレルC2Mの実用化に関しては業界の先を行っています。

オンワード樫山だったら、前澤さんがやりたかったPB構想をパーフェクトに実現できるでしょう。

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