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【厳選9本】カギは攻めと守り。投資信託の「選び方」を知っていますか

2019/9/25長期の資産運用の最もスタンダードな選択肢といえば、投資信託を「長期・積立・分散」で購入することだ。証券会社に口座を開いたら、次にするのは銘柄選びだ。では、長期・積立・分散に適した投信とはどんなものだろうか。現在、モーニングスターのサイトに掲載されている公募投資信託(ETF、確定拠出年金専用を除く)は約5000本。証券会社により取り扱いがある銘柄の数は異なるものの、銘柄を選ぶ基準がないままでは購入する投信を絞り込めない。そもそも投資信託とは何か、投資初心者は何に注意をしながら銘柄を選べばいいのか、楽天証券経済研究所ファンドアナリストの篠田尚子氏が解説する。

投資信託に投資しやすくなった投資信託とは、運用をファンドマネジャーと呼ばれるプロに丸々お任せできる金融商品です。具体的には、ファンドマネジャーがあらかじめ掲げた投資方針にのっとって、投資家から集めたお金を株・債券・不動産などに分散投資し、最終的にその成果を投資家に還元します。「投信」や「ファンド」と呼ばれることもあります。投資信託は近年、3つの側面で投資のハードルが大きく下がりました。1つは、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)や、つみたてNISA(ニーサ、少額投資非課税制度)など、個人の長期資産形成を後押しする税優遇制度の拡充です。2つ目は、最低投資金額の引き下げです。主要ネット証券では、今やワンコイン=100円から投資信託が購入可能になりました。そして3つ目は、投資信託の保有に際してかかる総コストの低下です。このように、十分な資産がなく、投資経験が乏しい人でも、投資信託を活用すれば少額から資産運用を始めることができます。

(写真:Zephyr18/iStock)失敗しないためのポイント2つ投資信託には預金のように元本保証の機能はなく、株式のように日々値段(基準価額)が変動します。この不確実性こそが、資産運用に二の足を踏む人の多くが恐れる「リスク」の正体です。資産運用で重要なのは、リスクを回避しようとすることではなく、リスクと上手に付き合っていくことです。以下の2つのポイントを守れば、投資信託の大きな失敗を回避できます。① 「大きく負けない」銘柄を選ぶ
② 積立をコツコツと続ける

2つのポイントについて掘り下げる前に、まずは投資信託の運用手法について確認をしておきましょう。インデックスとアクティブ投資信託の代表的な運用手法は大きく2種類あります。インデックス運用アクティブ運用と呼ばれるものです。インデックス運用は、ベンチマーク(運用の良し悪しを測る基準)として掲げられた市場平均インデックス(指数)に連動した運用成果を目指します。一方、アクティブ運用は、ファンドマネジャーが有望な銘柄を選定・投資することでベンチマークを上回る運用成果を目指します。

(写真:metamorworks/iStock)「アクティブ(Active)」と聞くと、高いリターンを狙うアグレッシブな運用をイメージする人が多いですが、これは必ずしも正しくありません。アクティブ運用における「アクティブ」が意味するのは運用の自由度の高さであり、ファンドによっては、ボラティリティ(価格の変動率)を抑えた運用を行います。実は、機関投資家と呼ばれるプロの世界では、市場平均よりもボラティリティを抑えた運用手法が多く取り入れられています。なお、投資信託のリスクの大きさを表す指標としては、一般的に「標準偏差」という値が用いられます。この標準偏差の値が大きいファンドほど基準価額の変動幅が大きく、「リスクが高い」あるいは「ボラティリティが大きい」と言われます。

他方、インデックス運用には、コストの安さという大きなメリットがあります。アクティブ運用のように銘柄選定に伴う調査費用が事実上かからず、マニュアルに沿った運用ができるため、保有中のコストである信託報酬を低く抑えることができます。

ただし、機械的に運用を行うということは、つまり、市場リスクをそのまま受容するということでもあります。当然ながら、リターンも市場平均以上を望むことはできません。レストランで例えるなら、インデックス運用は「全国どこでも同じ味を均一価格で提供するチェーン店」、アクティブ運用は「シェフが腕をふるうこだわりのビストロ」といったところでしょう。それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらが優れているということではありません。一般的に、投資対象資産の範囲が広い先進国株式や、効率的市場であるとされる米国株式は、ファンドマネジャーが活躍できる余地が小さく、優良なアクティブ型が少ない傾向があります。ファンド選びに迷ったら、インデックス型を選べば良いでしょう。反対に、国内株式は、TOPIX(トピックス、東証株価指数)に代表される株価指数が完全であるとは言えないため、実は優良なアクティブ型が多く存在します。こうした大まかな傾向を把握しておくだけでも、投資信託を選びやすくなります。

(写真:yongyuan/iStock) 「大きく負けない」ことの重要性投資信託で失敗しないための2つのポイントに話を戻します。1つ目の「『大きく負けない』銘柄を選ぶ」とは、前述のアクティブ型の投資信託を選ぶ際に心掛けておきたいポイントです。私たち投資家は、リターンを期待してプロに運用を託しているので、市場環境が良いときに基準価額が上昇するのは当然といえば当然です。より大切なのは、市場環境が悪化したときに素早くリスクを察知してブレーキをかけ、市場平均以上に「大負けしない」ことにあります。ここで、一つ例を挙げて説明しましょう。1万円の基準価額で運用を開始した投資信託が5%下がると9500円になります。しかし、このファンドが再び5%上昇しても、1万円には届きません(9500円×1.05=9975円)。基準価額9500円の投資信託が再び1万円を回復するには、10000円÷9500-1≒5.3%のリターンが必要になります。このように、一度値段を下げてしまうと、再び同じ水準に戻すためには、多大なエネルギーを要するのです。

(写真:chaofann/iStock)つまり、一時的に下げることはあっても、「大負けしない」投資信託の方が、中長期にわたって安定したリターンを確保できる可能性が高いと言えます。積立は「毎月コツコツ」が原則投資信託の積立(定時定額購入)とは、原則として毎月決まった日に、決まった金額で自動的に投資信託を買い付けていく方法です。一般的に「ドル・コスト平均法」とも呼ばれます。投資信託を購入するタイミングを分散し、平均買付単価を平準化することが狙いです。手元に十分な資金がなくとも、資産運用に十分な時間をかけられるなら、積立をおすすめします。というのも、投信積立は相場下落時の「心のよりどころ」としても重要な役割を果たすからです。

(写真:William_Potter/iStock)市場環境が不安定になって保有する投資信託の基準価額が大きく下落すると、気持ちが落ち着かず、冷静な判断ができなくなります。しかし、積立なら、基準価額が下落していても「お得に、より多くの口数を購入できている」と、発想の転換ができます。なお、積立の頻度は「毎月」が原則ですが、最近は、「毎日」を選べる金融機関も出てきました。積み立てる頻度が高い方が、より時間分散効果が働くように思えますが、結論から言うと、積立の頻度を「毎日」にしても、最終的なリターンにはほとんど影響がありません。やや専門的な話になりますが、この一見不思議な現象を解く鍵は、「調和平均」という、平均買付単価を算出するための数式に隠されています。調和平均とは、いわゆる「平均」の一種で、往復の平均速度などを算出する際に用います。投資信託の基準価額は、「1万口当たりの評価額」なので、平均買付単価を求める際は、算術平均ではなく調和平均を使います。この調和平均には、算術平均よりも値が小さくなる特徴があるほか、データ数が多くても、そのデータ群の散らばり度合によっては、一定の値に収束するという性質があります。投資信託の基準価額は不規則に変動するため、購入回数を増やしても、平均買付単価にさほど影響が表れません。時間分散は「ほどほど」に。無理のない金額設定で、基本形の毎月積立をコツコツと続けること。積立の頻度を増やすことよりも重要なのは、やはり、どの投資信託を選ぶかということと、その組み合わせ方です。初心者におすすめの9本を公開以上を踏まえ、組み合わせがしやすく、投信積立にも適した投資信託を、インデックス型とアクティブ型の双方で選定しました。

インデックス型については、銘柄数のカバレッジが多い、先進国株式のファンドを3本選びました。一口に「先進国」と言っても、投資対象地域に日本が含まれているものと含まれていないもの、さらに、部分的に新興国株式が含まれているものなどもあります。インデックス型の場合、同じ指数(ベンチマーク)に連動する銘柄なら、信託報酬の安いものを選ぶのが原則です。しかし、投資対象銘柄や地域の範囲によっては、信託報酬に差が生じます。なお、選定した3本は全て、つみたてNISAの対象になっています。

アクティブ型については、中長期にわたり安定的に市場平均を上回っている「攻め」の国内株式のファンドを4本と、市場平均よりもリスクを抑えて運用する「守り」の要素が強いバランスファンドを2本選びました。

「攻め」の国内株式ファンドは全て10年以上の運用実績があり、中長期にわたって市場平均を上回る成績を収めているものです。

後者はいずれも、運用資産を大きく増やすことよりも、「減らさない」ことに主眼を置いて運用するタイプのため、単体で保有するよりは、他の2タイプと併せて複数本保有することをおすすめします。

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