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【Podcast】ブロックチェーンが不動産やモビリティを激変させる?

後藤 今週も始まりました。ゲストは先週に引き続き、Omiseの長谷川潤さんです。長谷川 よろしくお願いします。

長谷川潤(はせがわ・じゅん)
1981年生まれ。1999年に高校を卒業後、単身で渡米。複数のビジネスに挑戦したあと、2013年にタイを拠点とした新しい決済サービスを提供するOmiseを創業。不動産を「切り分ける」時代に後藤 先週は盛り上がりましたね。今回は、ブロックチェーンの最新事例についてお聞きしていきます。長谷川さんは、現在さまざまな企業と組んで、ブロックチェーンをビジネスに応用するプロジェクトを抱えています。中でも、「セキュリティトークン」が面白いとのことですが、セキュリティトークンとは何か、どんなビジネスに使われているのかを教えて下さい。長谷川 はい。例えば、家を保有するとします。ちなみに、実は案件で多いのは家なんですけど。ビル1棟持っている場合だと、細かく分割すると最小単位は部屋になります。部屋ごとの権利を書面にして契約し、生まれた利益を所有者に渡す。それが、今までの家の所有でした。REIT(不動産投資信託)という商品もありますが、ブロックチェーンのテクノロジーを使えば、所有者にもっと細かく分配することができます。つまり、ビル1棟を今までは10人しか保有できなかったのが、グローバルに3万人が所有する、といったこともできるんです。岡 「東京オリンピックでこの部屋の価格が上がるぞ」となれば、3万人で持つこともできると。長谷川 はい。クラウドファンディングに近いかもしれないです。ただ、クラウドファンディングだと登録から保有者の担保など手順が複雑ですが、セキュリティトークンを使えば、権利のコインを持つイメージになるので手軽です。そして、持っているコインに応じた利益が自動的に配当される。全てプログラミングされていて、誰かが何かを担保をする必要がないんです。後藤 素晴らしい。つまり、こういうことですね。例えば、僕が六本木にマンションを建てるとします。で、20部屋あるとしましょう。この20部屋を、例えば2,000人に権利を細かく分割して、共同保有する。家賃が入ってきたらブロックチェーン上の契約によって、自動的に権利に応じて、利益が配分される。

長谷川 そうです。より多くの人々が、機会を得ることができるのがブロックチェーンの美しさです。例えば東南アジアの、1日どんなに働いても1,500円ぐらいしか稼げない人たちが、500円でいいから資産を増やす運用をしたいと思ったとします。で、その後藤さんのマンションに500円を投資し利益分配を受ければ、資産が増えていくかもしれないわけです。多くの人々に機会を与える上で、公平性を期すためにも重要な技術ですね。後藤 そうなると、資産もさらに流動化するんですね。これまで1口1,000万だったのが、1口100円単位で金融商品が流通するようになるかもしれない。岡 あんまりお金を持っていなくても、投資しやすくなる。長谷川 そうです。アセットが自動的に稼いでくれるような世界が実現するのではないかと考えています。後藤 実際、建設会社が「わが社のマンションにもブロックチェーンを」と相談に来られるんですか。長谷川 日本企業でもありますし、海外でも実際にそういう相談が来ていますね。トークンで実現する「車の未来」後藤 ブロックチェーンの実装という意味で、他に日本で面白い動きはありますか。長谷川 例えば、自動車業界でもブロックチェーンが注目されています。業界内で共通の規格を作る流れが起きています。自動車はアセット価値が高いけれど、オーナーが(頻繁に)変わります。そして、メンテナンスが必要で、保険などの周辺サービスも色々とある。例えば、後藤さんが中古車を見に来たとします。「これは事故車じゃありません」、と言われたら、相手を信用して買わなければならない。後藤 でも、中古車ほど信用できないものはないですよね。長谷川 僕も若かりし頃、事故車じゃないと言われて買ったんですけど、その車が壊れて修理に持っていったときに、これ、「ニコイチですよ」と言われて。ちなみにニコイチって、前と後ろを別々のところから引っ張ってきてくっつけたものという意味なんですけど、ショックを受けました。事故車どころじゃないと(笑)結局は誰かを信用しなくても常に記録を得て、担保できる仕組みがあると人々は安心してその値段を払うことが出来ます。そういった仕組みづくりを、自動車業界が取り組もうとしています。岡 しかし、そもそも車を所有しなくていい社会になるかもしれません。長谷川 それも、ブロックチェーンのエコシステムでつくることができます。全てプログラミングすることができるので、IoTを使ったりとか、コネクテッドカーと言われる常にオンラインの状態の車を作ったりなど、ブロックチェーンを生かしたエコシステムを作れます。特に若い人たちはシェアリングエコノミーで、いろいろな車を利用します。ただ利用したという情報の承認であったり、実際にどういう運転をしたかの記録を取ったり、改ざんできないようにする必要があります。あとは実際にエコシステム上で安全に運転することによって、ポイント的にトークンを受け取ることもできます。こういった具合にプログラミングによって、モビリティサービスをエコシステム化していくんです。

タイで起業の意外なきっかけ後藤 話は変わりますが、以前長谷川さんのお話を聞いて驚いたのが、タイで事業を始めた理由です。ある意味偶然で、とても面白い話だったので、もう一度お話いただけませんか。長谷川 タイに関しては僕自体、全然好きじゃなかったんです。暑いの、好きじゃないので(笑) 致命的じゃないですか(笑)長谷川 致命的なんですよ。何でこんなに長くいられているのが本当に不思議なぐらい。経緯を話すと、僕が(留学先の)アメリカから帰国して自宅に着くと、ベッドに見知らぬタイとニュージーランドのハーフの男の子が寝ていました。通称ドニーって言うんですけど。何も両親から聞いてなかったので、いない間に何が起きたんだって思いました。後藤 ドニーが弟に。長谷川 弟、あれ?ってなったんですけど(笑)それ以来、ドニーと僕は大親友になりました。彼は日本に5年ぐらい住み、タイ人の奥さんと結婚して、タイに戻っていきました。その後、僕は日本で行っていた事業に疲れていた時に、ドニーに電話しました。「そっちは、どう?」と聞いたら、「タイは、Eコマースがすごい伸びているよ」と。そこで電話切ったあと、奥さんに「来月からタイに行こうと思うんだけど」と言いました。驚いていましたが、止められなかったので行ってしまおうと。とにかく飛び込んだのが2013年のことです。当時、経験として学んでいたのは、知り合いがいないところには行かないほうがいいということ。僕は、アメリカで起業していたこともあったのですが、人的なつながりが乏しいまま立ち上げたので、本当にサービス展開に苦労しました。後藤 ネットワークがないと、何をやっても展開していかないですね。長谷川 はい。でも今回は、タイにドニーがいたので、さあ行こう、と行ったんですよ。そして、Eコマースを立ち上げた。そこが全ての始まりでしたね。

後藤 面白いですね。当時はブロックチェーンのことなど知る由もなかったんですね。Eコマースとしてオンラインでモノを売買するところから、オンラインでお金を支払うビジネスに展開していき、結果ブロックチェーンに行き着いたということですね。長谷川 はい。Eコマースをやっているときに、ユーザー体験の良い決済サービスを探したんですが、なかったんですよ。それなら作っちゃおう、とピボットしたのが「Omise Payment」という決済サービスです。ただ、決済サービスを作るときに銀行は何で接続させてくれないのと思いました。そこで、行き着いたのがブロックチェーンでした。自分たちのペインポイントが、ソリューションになっていったんです。後藤 「ペインポイントがソリューション」。今週の名言、いただきましたね。本日のゲストは、Omiseの長谷川潤さんでした。ありがとうございました。長谷川 ありがとうございました。

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