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【1週間要約】Netflix、アップル、アマゾン社員の「幸福度」

今週1週間、アメリカのシリコンバレーでは何が起きたのか?忙しい読者が簡単に1週間をおさらいできるよう、現地のトピックを5つに絞ってダイジェストでお届けする。今週は、アップルやグーグルの社員の幸福度が明らかに。年収2000万という高給は人を幸せにするのだろうか。また、資産家ミレニアル世代の実態も報告された。週末に世界のテクノロジー、ビジネスの話題をサクッとアップデートしよう。①巨大テック社員は幸せか?【10月17日(木)】巨大テック企業への就職=幸せとは限らない。高い給与に、無料の食事、ジムも使い放題……シリコンバレーでフェイスブック、アップル、アマゾン、ネットフリックス、グーグル(FAANG)、そしてマイクロソフトといった巨大テック企業に勤めることは、多くの人にとって憧れだ。しかし、だ。投資家マッチングサイトのエンジェルリストと、キャリアサイトのブラインドが共同で行った調査によると、スタートアップで働いている社員の方が、より幸せを感じていることがわかった。対象になったのは1万1000人のFAANG+マイクロソフト、そしてスタートアップの社員たちだ。それによると、60%以上のスタートアップ社員が今の仕事に「満足」と答え、巨大テック企業の社員の幸福度を約30%上回っている。

ちなみに面白いのは、一口に巨大テック企業といっても、明暗が分かれたこと。FAANGの中で、堂々トップはネットフリックス。ネットフリックス社員は他の巨大テック社員に比べずっと熱心に仕事に取り組んでいるようで、その満足度は89%。翻ってアマゾンは最下位の42%だ。

ネットフリックスを除く、フェイスブック、アップル、アマゾン、グーグル、マイクロソフトの3~5人に1人は、今後半年で転職を考えていると答えている。また、スタートアップと巨大テック企業で働く社員のモチベーションも大きく異なる。スタートアップ社員が「自分がどれだけ成長できるか」を大切な価値観と捉えているのに対し、FAANG+マイクロソフト社員にとって重要なポイントは、キャリアの進展、安定した給与、ワークライフバランスだ。

また、エンジェルリストの別の調査では、FAANGの数千人の社員が、自分のインパクトを最大化するためにスタートアップへ転職しているということも明らかになっている。「幸せ」を求め自由に巨大テックとスタートアップを行き来する、これもシリコンバレーのダイナミズムを生んでいるのだ。②「資産家ミレニアルズ」の実態【10月17日(木)】北米の人口のわずか0.2%。これは純資産1億円(100万ドル)以上を持つミレニアルズの割合だ。その数が61万8000人に上ることが、10月17日、資産運用会社の調べでわかった。

(写真:svetikd / iStock)
ミレニアルズとは、1982年から96年に生まれた23~37歳の若者だ。ミレニアルズの間で、豊かな若者層はますます増えている。2030年までに、ミレニアルズは現在の5倍の富を手に入れるとされる。その最大の理由は、彼らの親世代が築いた7371兆円(68兆ドル)もの富を相続できると試算されるからだ。ミレニアルズの親世代は、ベビーブーマー世代。歴史上の中でも最も資産を築いた豊かな世代だ。さらに、驚くのはお金持ちミレニアルズの地理的な分布図だ。ミレニアル・ミリオネアが最も多く住むのは、シリコンバレーを抱えるカリフォルニア州。実に44%が集中している。その次にニューヨークがランクイン。しかしその割合は14%と、トップと圧倒的な差が生まれている。

(写真:vitacop / iStock)ミレニアルズは、2000年代後半から2010年代初頭までの世界的な景気後退を経験し、親世代よりも富を築くのが遅く、それゆえ、結婚や子供を持つタイミングが遅い世代だと言われる。しかし、これはミレニアル・ミリオネアには当てはまらないようだ。通常のミレニアル世代が40%しか結婚していないないのに対し、ミレニアル・ミリオネアの結婚率は67%。また、ミレニアル世代の63%しか不動産を購入できていないのに対し、ミレニアル・ミリオネアの購入率は92%で、平均3軒の家を購入している。

カリフォルニア州のミレニアル・ミリオネアの76%は不動産投資で200万ドルまでのポートフォリオを組むもっとも、ミレニアル・ミリオネアが不動産を購入しているのは、約2億1700万円(200万ドル)が最低ラインのシリコンバレーではない。最も人気なのは、ミシガン州のトラバース市だ。日本の読者からすれば、「いったいどこ?」という場所だが、ミシガン湖の美しい湖畔と、ワイナリーなどが有名で、歴史的な観光名所でもある。ここの住宅は5400万円(50万ドル)とシリコンバレー相場の4分の1とかなりお値打ちだ。築いた富を、堅実に使う。これがミレニアル・ミリオネアの特徴なのかもしれない。③ザッカーバーグ、吠える【10月17日(木)】「誰もが表現の自由がある、これは世界の新しい力だ」力強くこう述べたのは、米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO。

(写真:Chip Somodevilla /GettyImages)ザッカーバーグ氏は10月17日、ワシントンのジョージタウン大学で講演。コンテンツへの規制が厳しくなっていることに関し、ソーシャルメディアは閉鎖されるべきでなく、言論の自由を守る手段だと持論を展開した。彼が「表現の自由」について自らの考えを述べるのは非常に珍しい。講演でザッカーバーグCEOが熱弁を振るったのは、中国のインターネットと検閲に関してだ。今や世界で使われるプラットフォームのトップ10のうち、6つは中国のものだとし、ここでは自分たちが当たり前だと思う「検閲を受けない自由」が全くないと強調した。また、フェイスブックのような巨大な企業が「表現の自由」を求めて戦わなければ、いつの日か、検閲は世界中にはびこるようになると懸念も示した。さらにザッカーバーグ氏は、ライバルの中国動画アプリ「ティックトック」を名指しで批判。

(写真:SOPA Images / Getty Images)中国政府の検閲を許すことで、香港のデモ参加者のプライバシーや自由が侵害されているとし、さらにデモについてのコメントは、アメリカで発信されたものでも検閲を受けたと主張した。「フェイスブックのCEOとして、法が整っていない国でユーザーのデータを集めると決めれば、ユーザーは必ずその国の政府に個人情報をアクセスされるということになる。その事態を懸念している」(ザッカーバーグ氏)フェイスブックは、近年、偽情報、フェイクニュースへの規制の仕方が甘いと、立法関係者などから厳しい矢面に立たされている。それでもフェイスブックが事業を続けるのは、自分たちがいなくなれば中国がその利益を一気に享受すると見ているからだ。ザッカーバーグ氏からすれば、なんとしてでも回避したいだろう。「最近まで、中国以外のほとんどの国のインターネットには、アメリカで価値を置いている『表現の自由』があった」「しかし、これらの価値観は消え去るかもしれないのだ」(同氏)フェイスブックの訴えは、アメリカの立法関係者にどう響いたのか。

(写真:Carl Court / iStock)④止まらない「時限爆弾」【10月17日(木)】ウィーワークはどちらの救済プランを選ぶのか。今年9月にIPOをすることで約9800億円(90億ドル)の融資を見込んでいたウィーワークは、IPOが破談になったことで、2019年の1~6月までの半年で約1000億円(9億ドル)を失った。運用資金は11月の半ばまでに尽きると試算されている。

(写真:SOPA Images/Getty Images)救済案は二つ。一つは、最大の株主であるソフトバンクグループが総額5400億円(50億ドル)の資金を注入するというもの。もう一つは、IPOの主幹事だった米JPモルガン・チェースが同額規模の社債を発行するというものだ。両方合わせたプランを採用する可能性もあり、決定を急いでいる。そんな中、ウィーワーク社内ではこの状況に見切りをつける幹部たちが相次いでいる。10月17日、チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)のロビン・ダニエルズ氏が、会社を去ることが伝えられた。アダム・ニューマン前CEOや、その妻で共同創業者だったレベッカ・ニューマン氏らに続き、ここ数週間で辞任した幹部としては6人目になった。

アダム・ニューマン氏と妻のレベッカ・ニューマン氏(写真:Dimitrios Kambouris/Getty Images)9月は、バイスプレジデントだったマイケル・グロス氏、チーフ・プロダクト・オフィサー(CPO)のクリス・ヒル氏が、先週にはチーフ・コミュニケーション・オフィサー(CCO)のジミー・アッシ氏が辞任していた。数千人単位での人員削減策や、サイドビジネスの売却など大きなリストラクチャリングは、社員のモチベーションにも大きく影響している。⑤あなたのもとへ行きます【10月15日(火)】自動運転の車にトラック、そこに新たに加わろうとしている乗り物がある。電動スクーターだ。ユーザーが使ったスクーターが、充電できる場所を探して、自動走行したり、ユーザーのところにウーバーのように自動で迎えに来る。そんな未来は遠くないかもしれない。10月15日、自動運転技術開発企業のトートイズは「半自動運転スクーター」によるサービスを発表した。

トートイズの半自動運転スクーター。ジョージア州での試験風景コンセプトは、完全な自動運転でなく、オペレーターセンターなど遠隔地から人が操作する機能と融合させた、ハイブリッド型のシェアリングサービスだ。電動モビリティのシェアサービスの課題は、充電やエリア内での配置。スクーターの場合、夜中にフリーランサーがスクーターを回収し、フル充電した上で、必要な場所に配置。フリーランサーに対し、台数に応じて給与が支払われるという仕組みが一般的だ。これが自動で行われれば、運営側は大きくコストを削減できる。トートイズは、センサーやカメラを使ってこれらを半自動化する。価格は一台につき約1万円(100ドル)のコストアップになるとしている。今年の終わりまでに、ジョージア州のテクノロジーパークで試験導入を始め、ヨーロッパの2都市でも展開する。

(写真:John van Hasselt – Corbis / Getty Images)「来年はグーグル系の自動運転車ウェイモよりも多い数の半自動運転スクーターを路上で見かけるようになるかもしれない」トートイズのドミトリー・シェベレンコCEOは拡大に期待を寄せる。自動運転スクーターは、自動車に比べ安全の観点から、参入への敷居は低い。世界に目を向けると、シンガポールを拠点にするCTRLワークスも自動運転スクーターをすでにマレーシアの一部で導入済みだ。さらに、スクーター製造企業のナインボットも今年頭に、自動運転スクーターを発表している。ライドシェアのウーバーも、運賃のコストを下げるために、自動運転技術に取り組んでいて、スクーターやバイクの自動運転化も視野に入れている。自動運転自動車が本格的に始まる前に、革命が起きるのは電動スクーターなのかもしれない。

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