立憲民主、国民民主両党など主要野党は、2020年度から始まる大学入学共通テストで導入される英語民間試験の延期を求め、政府・与党に攻勢をかける構えだ。
「不公平」と指摘される新制度の問題点をあぶり出すことで、受験生に「身の丈に合わせて頑張って」と発言、撤回した萩生田光一文部科学相を辞任に追い込むことを目指す。
衆院文科委員会は29日の理事懇談会で、萩生田氏に対する一般質疑を30日に行うことを決めた。新制度に関する参考人質疑の実施も確認。野党内には「萩生田氏とは議論できない」(立憲中堅)として、即時の閣僚辞任を迫る強硬論もあったが、この日は封印した。
先に更迭された菅原一秀前経済産業相に続き、萩生田氏の「辞任ドミノ」を狙う戦略について、野党内では「『身の丈』発言だけでは難しい」(国民中堅)との意見が大勢。まずは新制度に狙いを定め、所管の萩生田氏を国会審議で徹底追及する方針だ。
立憲の枝野幸男代表は29日の常任幹事会で、新制度が教育の地域・経済格差を助長させかねないと指摘。「党を挙げて英語試験を延期させる」と強調した。
野党は、既に提出した導入延期法案の審議入りを要求。また、新制度に反対する世論を喚起するため、所属議員が各地をめぐる「全国キャラバン」も検討している。
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